急戦と持久戦

うさぎとかめの将棋物語
昔あるところに、足の速さには絶対の自信を持つ「うさぎ」と、決して手を抜かず手堅く指し続ける「かめ」がいました。
◆序盤:急戦vs持久戦
ある日、二人は一手10秒の早指し勝負で、どちらが強いか白黒つけることになりました。
うさぎの戦法:序盤から猛烈な攻めを仕掛ける「急戦」。一気に相手の陣形を崩すのが得意。
かめの戦法:堅牢な囲いでじっと耐え、終盤の逆転を狙う「持久戦」。
対局が始まると、うさぎは得意の急戦で鋭い手駒を次々と繰り出し、あっという間にかめの陣形を圧倒しました。
「どうた、このスピードは!勝負ありだな」と、うさぎはすっかり勝利を確信しました。

◆中盤:うさぎの油断
一方のかめは、うさぎの激しい攻めにさらされながらも、金銀をしっかりと引き付けて「穴熊」の堅い囲いを完成させました。
かめは一歩一歩、着実に駒を進める持久戦を貫きます。
あまりにも優勢だったため、うさぎはこう思いました。
「ふん、あんなノロノロとした持久戦じゃ、私に追いつけるわけがない。ちょっと一手、棋譜の検討でもしながら昼寝でもするか…」
うさぎは対局盤の脇で、うっとりとまどろんでしまいました。
◆終盤:結末
その間も、かめは一歩も歩みを止めず、じっくりと陣形を整え続けました。そしてついに、うさぎの油断を見逃さず、鍛え上げた厚みを活かして渾身の反撃の一手を放ちました。
「パチン!」という鋭い駒音で、うさぎはハッと目を覚ましました。
慌てたうさぎは、いつもの調子を取り戻そうと急戦の攻めを再開しましたが、すでに手遅れでした。
堅く守られたかめの王様はビクともせず、逆にじわじわと追い詰められたうさぎは、ついに「参りました」と頭を垂れることになったのです。

